はじめまして。ADHDグレーゾーンのぴのこです。
この記事では、実際に大人の発達検査を受けた私が、診察の流れやリアルな体験談をレポートしていきます。
- 仕事でミスが多い
- 人の言葉が理解できない
- 集中したいのに意識が違う方に飛んでしまう
- 人とのコミュニケーションでつまづく
- 時間を守れない
- 失くしものや忘れ物が多い
そのような日常生活での困りごとがあって検査を受けたいけど、
- 大人の発達検査の検査ってどんなのか不安
- 家族や職場にバレたくない
- 仕事に影響が出てしまうのか
- そもそもどこで検査できるの?
など不安があると、検査を受けることに一歩踏み出せないなんてことはありませんか。
私は検査をずっと受けたいと思っていたのですが、勇気が出ずに数年間モヤモヤしたまま過ごしました。
実際に検査を受けてみると、自分の得意・苦手なことが分かって対策ができたり、困ったことはお医者さんに相談できて少しずつ生きやすくなってきたので、私は検査を受けて良かったと思っています。
もっと早く受けておけば良かったなと今では思います。
検査を受けたいけど勇気が出ない…という方の為に、この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。
診断しようと思ったきっかけ
仕事を始めてからミスが多かったり、何回も転職してどこにいっても人間関係が上手くいかず、上司や周りの人の当たりが私にだけきつくなり、仕事を続けられなかったのがきっかけです。
学生時代から発達障害というのがあるのを知っていたのですが、社会人になってから一気に生きづらくなってしまったので、思い切って検査を受けてみようと思いました。
小さいころからずっと「変わってるね」「天然だね」と言われて、人の輪に入れず、友達がなかなかできないのでコミュ障だという自覚はありました。
学生時代は仲間外れにされたり、いじめられたりしたこともあり、学校生活が辛くて大学の時に「人の輪に入れない」と調べまくった時に、発達障害があるということを知りました。
忘れ物やうっかりが多く、バイトも続けられなかったため、大学生の時に「自分は発達障害かもしれない」というのは薄々感じていました。
ただ、大学の時は卒業できないほどではなかったため、その時に発達検査を受けてみようとはなりませんでした。
社会人になって仕事を始めてから、自分ばかりミスが多かったり、会議の話についていけなかったりして、一気に人生がハードモードになりました。
社会人8年目で、ミスを多発したり人の指示とは違うことをしてしまう自分はおかしいと、悩みの限界がきて受診しました。
発達検査は家族や会社にバレる?
検査を受けても、扶養に入ってない場合は家族や会社にはバレません。
ただし、健康保険組合から発行される医療費の明細書が家に届く場合は、家族が見てしまったらバレてしまうので注意です。
また、未成年だと保護者同伴の必要があると思いますし、扶養に入っている場合はバレてしまうかもしれません。
私は会社と家族にバレたくなかったので、病院予約の際に「会社と家族にバレてしまうことはありますか」と確認しました。
また、検査によっては親同伴が推奨される場合もあるので、「会社と家族にはバレずに自分だけで検査を受けたい」ということも伝えました。
不安な方は病院に確認してみてくださいね。
ちなみに、発達障害と確定診断を受けた場合、診断を受けただけでは会社にバレないと思います。
精神障害者保健福祉手帳を申請して交付されると、住民税や取得税が減額されるので、そうなると総務・人事の方にはバレる可能性が高いです。
障碍者手帳について詳しく知りたい方はコチラの記事が分かりやすかったです。
大人の発達検査はどこでできる?
大人の発達障害は、精神科や心療内科で検査してもらえます。
私は近くの心療内科があるかかりつけ医に片っ端から電話して、大人の発達検査ができないか聞きまくりました。
しかし、どこも検査をしていないという返答ばかりで検査を受けられませんでした。
発達障害者支援センターが各都道府県に設置されているので、そこに「大人の発達障害はどこで検査できますか」と聞いたところ、検査してもらえる病院を案内してもらえました。
もし検査してもらえる病院が見つからなかった場合は、発達障害者支援センターに相談してみるのがいいでしょう。
私の地域では心療内科がある総合病院では検査してもらえたので、かかりつけ医がダメだったら総合病院に問い合わせされてみるのもいいかと思います。
発達障害者支援センターとは、発達障害がある人や、その家族をサポートする機関のことです。
各都道府県に設置されているので、「お住まいの地域 発達障害者支援センター」と検索してみてくださいね。
発達障害者支援センターで無料で発達検査をしているところもあります。
発達検査を受ける流れと内容
大人の発達検査の流れを紹介していきます。
病院によって検査方法が異なるかと思うので、あくまで私の体験談になります。
病院を探す方法は上記の通りです。
探したら電話をして予約します。
私の場合は検査の予約が埋まっていたので、検査できたのは予約してから2か月後でした…。
受診して一番最初に問診がありました。
心理士2人の方が問診してくださったのですが、1人は私に質問を投げかけ、もう1人は私の発言や態度を記録していました。
1時間程度、過去から今の状況について詳しく聞かれます。
過去の困りごとや現在の困りごとなどいろいろ聞かれました。
通知票や母子手帳など過去の記録が分かるものがあるとより診断に役立ててもらえるかと思います。
プライバシーは守られるので、安心して話して大丈夫です。
また、答えたくない質問には答えなくても大丈夫です。
私は今働いている会社名を聞かれて、「答えたくないです」と言ったら「大丈夫ですよ。」と優しく話を続けてもらえました。
事前に「今困っていることに関する具体的なエピソード」や「過去に困っていた具体的なエピソード」を記録していくのがオススメです。
病院によっては行われないところもあるそうです。
医師からも普段の困りごとなどの質問がありました。
仕事で困っていることや人間関係で困っていることを話した後、検査に進みました。
時間がかかるので、次のSTEPからの検査は別日に行いました。
WAISと呼ばれる成人用の知能検査をしました。
漢字の読み方、言葉の説明、パズル、計算問題、数字の暗唱などを行います。
発達障害の確定診断というよりは、知的障害もあるのかを診断したり、認知能力の偏りなどを調べるために用いられるそうです。
CAARSと呼ばれる、ADHDの症状をチェックする検査をしました。
66個の質問形式で、「全く当てはまらない」「ほんの少し当てはまる」「ほとんど当てはまる」「非常に当てはまる」の4つの選択肢から、最も自分に合うものを選んで回答します。
この検査は本人が行うので、自分を過大・過小評価したり、誤魔化したりすると信憑性が低くなります。
PFスタディと呼ばれる人格検査をしました。
障害特性から生じるコミュニケーションの特徴やプロセスを理解するためだそうです。
2人が話しているイラストと吹き出しがあって、片方の人の吹き出しには話してる言葉が書いてますが、1つの吹き出しは空白になっています。
空白の方に、自分ならどう話すかを考えて会話を書いていきます。
例えば2台の車が事故を起こしていて、片方の人の吹き出しには「君が無理に追い越そうとしたのが悪いんだよ」と書いています。
もう片方の人の吹き出しは空白なので、自分が返答する言葉を書きます。
その答えの内容によって性格を検査します。
STEP5から7までの所要時間は2時間半~3時間ほどでした。
2週間後に結果が出ます。
医師からそれぞれの検査の結果を教えてもらい、自分にはどんな特性があるのか、どんなことが苦手でどんな対策をしたらいいかなどを教えてもらえます。
日常生活で困っていることがあれば相談にものってもらえました。
病院によって検査内容は異なります。
診断結果について
私の診断結果は、ADHDの特性はあるけれども、診断基準までは満たしていないという結果でした。
「いわゆるグレーゾーンですか?」と医師に聞くと「そうです。」とのことでした。
1つの検査から発達障害を特定するのではなく、問診・診察・知能検査・人格検査を総合して診断されます。
ただし、発達障害と個性の間には明確な境界線は無いそうです。
きっと、お医者さんや検査内容によっても診断が下りるか下りないかは変わってくるのだと思います。
また、日常生活で困ってるか困ってないかでも変わってくるのかもしれません。
なので、診断がどうであれ、検査で自分の得意なこと・苦手なことが分かるので、それを日常生活で困っていることがあるなら活かしていくことが大切だと思います。
かかった金額は?
保険適用になるかどうかで金額が変わってきます。
医師から検査が必要と認められたら保険適用になり、認められなかったり保険適用が無い病院だと自費になるので注意が必要です。
私は保険適用で、問診・診察・CT・検査・結果を聞きに行ったのを全て合わせて1万6000円ほどでした。
思ったよりも安く済みました。
検査費用については病院によって違うそうです。
また、保険適用になるかならないかで変わってきますので、詳しくは検査を受ける病院にお尋ねください。
診断は受けた方がいい?
個人的には日常生活で困っているなら、検査を受けた方がいいと思います。
私は検査を受けて苦手な分野が分かり、対策を医師に聞いたことで少しずつ生きやすくなってきたからです。
「発達障害と診断されたらショックで立ち直れない」、「診断された時の覚悟が持てない」という気持ちがあるならやめておいたほうがいいと思います。
そうでなければ検査を受けてみるのがいいんじゃないかと思います。
検査を受けるメリット
私が思うメリットは下記の通りです。
- 苦手な分野が分かってどのように対策したらいいか教えてもらえる
- 対策を生活に活かせる
- 得意な分野が分かる
- 自分のことをポンコツだと思っていた理由が分かって気持ちがスッキリした
検査を受けるデメリット
私が思うデメリットは下記の通りです。
- グレーゾーンは特に治療があるわけではないので、悪い言い方で言うとお金がかかっただけ
- 検査結果によってはショックを受ける可能性がある
私はデメリットよりメリットの方が大きかったです!
終わりに
私は社会人になって、仕事でポンコツすぎて自分を責めていたので、ADHDグレーゾーンと診断された時はちょっとホッとしました。
診断結果はどうであれ、日常生活で困っていることがあるなら、検査結果を日常に活かすことが大切だと思います。
私は検査結果を受けて医師に相談することで、仕事でのミスを対策して減らすことができました。
周りの人のようにバリバリ仕事をこなすことはできていないのですが、辞めたくなるほどミスを繰り返して落ち込んで転職を繰り返すことは無くなりました。
また、今の仕事が合っていないと思われる方は、自分の特性を知ることで、自分に合った仕事を選べる可能性が上がると思いました。
自分に合った仕事を探すときに、自分の得意なことや苦手なことを知らないままで探すよりは、知ってから探した方が近道だと思ったからです。
自分の感覚で得意不得意を探すのではなく、しっかり検査して脳の特性を知った方が、自分の強みや弱みがしっかり分かると思います。
日常生活で困っていることや生きづらさがあるなら、検査を受けて自分のことを知ることで解決につながることがあるので、気になっている方は検査を受けられることをオススメします。
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